眼球はよくカメラに例えられます。それぞれの部位がそれぞれの部品に対応しています。
いずれの場所に異常を生じても視機能が障害されます。

よくみられる眼の異常

屈折異常

カメラのフィルムに当たる網膜の中心部(黄斑部)にピントが合わない状態で、近視、遠視、乱視と表現されます。学校検診で視力不良の用紙を貰った親御さんは大変心配されます。将来的に度数が進むことが多いですが、レンズを用いて良好な視力が得られれば病的意義はなく通常は視力不良には陥りません。仮性近視は治療によって改善が得られますが、その他の大多数は治療による改善はありません。裸眼視力や生活状況に応じての眼鏡使用を開始するタイミングを逃さないことが重要です。

視力検査用めがね

前眼部疾患

●ドライアイ

涙液の減少または質の変化により眼表面に障害を生じる疾患です。軽度の場合は眼が疲れやすい、あるいは何となく眼の違和感を自覚する程度ですが、症状が強かったり長引くようだと眼の表面に多数の傷を生じる可能性があります。

診察

●花粉症

現在日本人の約20%が花粉症といわれています。スギやヒノキなどの花粉が原因となって生じるアレルギー性疾患です。 眼においてはアレルギー性結膜炎として発症し、充血、流涙、痒みなどを生じます。重症化すると、結膜の著しい浮腫や角膜に傷を伴うこともあります。

●白内障

カメラのレンズにあたる水晶体が濁る病気で、ほとんどの場合加齢によるものです。お薬では進行を遅らせることしかできず、視力を改善する唯一の方法は手術です。通常ご本人が不自由を感じてから手術を検討すればよいのですが、白内障は稀に他の疾患を合併することがあるので定期的な観察が必要です。当院は手術施設を有し、とだ眼科は2016年より院内に白内障手術関連機器を設置し、年間250件前後の白内障手術を行っております。

白内障手術に用いる眼内レンズ

検査室全景

手術室

塚原院長

後眼部疾患

●緑内障

視神経の障害により、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。ある国内の報告では成人の約5%に緑内障を認めるといわれています。多くの方が「緑内障は突然眼に激痛を生じる」と認識されていますが、これは急性緑内障のことで、大多数は痛みなどの自覚症状が無い慢性型の緑内障です。障害された視神経、視野は改善させることは出来ないので、早期発見、治療、定期観察が必要です。眼圧を低くコントロールすることが最も有効な治療とされています。
まずは自己チェック

●糖尿病網膜症

日本の中途失明の原因疾患の上位に位置しており、重症度によって段階があります。視力低下を自覚する場合はかなり進行した段階であることが多く、治療による改善の見込みは少なくなります。自覚症状が生じる前に、網膜レーザー光凝固などの治療をする必要があります。糖尿病を有する方は定期的な眼科受診による眼底検査が必要です。

レーザー光凝固装置

●網膜剥離

網膜が剥離することにより、急速に視野の欠損を自覚します。早期の手術をしないと失明につながります。原因の多くは網膜に生じた穴(裂孔)によるもので、前駆症状として「糸くず、ゴミのようなもの」を視界に認めることがあります。これは飛蚊症というもので、これを自覚した際は精密な眼底検査をすることが必要です。

測定機器

ロービジョンケア

様々な眼疾患に対し、最善の治療を行っても不幸にして著しい視覚障害が残ってしまうかたは現実として存在します。様々な補助具を用いてそのような方の残存視機能を最大限に活用して、低下した生活の質をできるだけ高めるようなバックアップをします。
→詳しくは アサクラメガネ のホームページへ

光干渉断層計(OpticalCoherenceTomography:OCT)

OCTの登場は近年の眼科診療において最も重要な技術革命です。断層写真を撮ることで、これまでは回復困難とされていた網膜疾患の早期発見が可能となることで治療成績が向上し、初期緑内障の検出や確定診断や進行予防においても威力を発揮しています。高度な医療を行う施設では必須の機器となっています。短時間で行えて患者さんの負担もほとんどありません。

網膜黄斑浮腫の画像3D

【網膜黄斑浮腫の画像3D】

緑内障視神経の画像

【緑内障視神経の画像】