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院長ブログ

プロ野球選手が発症した眼疾患について

2月になると私の楽しみが増えます。各プロ野球球団が春の開幕に向けてキャンプを始めるからです。この時期はどの球団も優勝候補なのでファンはメディアの報道でチーム状態を確認しながら期待を抱いて開幕を楽しみに待ちます。

2月1日に気になるニュースを見かけました。「楽天 今江内野手、右目の不調にてキャンプ参加を見合わせ」 今江選手は私の贔屓の千葉ロッテにPL学園から入団、勝負強いバッティングと堅守で不動の三塁手として活躍し2005年と2010年に千葉ロッテが日本一になった時、シリーズMVPを取りました。千葉ロッテファンから絶大な人気を誇りましたが、残念ながら2016年にフリーエージェントで東北楽天に移籍しています。

数日後に彼が発症したのは中心性漿液性脈絡網膜症であると報道されました。この病気は眼科では略称として中心性網膜炎とも言われています。漢字が意味するように網膜の中心(黄斑部)に発症する病気です。自覚症状として視界の中心が暗く見えたり、歪んで見えたり、左右の目で物の大きさが違って見えたりします。恐らく今江選手の病状は重度で速いボールを目で追うことに支障を来すレベルであったと推察されます。どのようにして病気が発症するのでしょう?病気のメカニズムとしては黄斑部網膜深層の網膜色素上皮の機能異常を生じ、その下の脈絡膜血管からの浸出液がそこに溜まって限局性の網膜剥離が生じた状態です(図参照)。カメラで例えるとフィルムが凸凹になってしまい写真が歪んで映るイメージです。この疾患は幾つかの大きな特徴があります。青年~中年の男性の片目に発症することが多く、ストレスが原因として考えられ、多くは自然治癒するとされています。眼科医としては比較的よく遭遇する病気で、当クリニックでも年間10名前後の方が中心性網膜炎で受診されていますが殆どの方がこの特徴を有していると思います。稀に程度が強い場合や、中々軽快しない方には浸出液が出るポイントを調べてレーザー光凝固をする事があります。近年では加齢黄斑変性症に用いられる光線力学的療法の効果が調査されています。

最近のニュースでは2軍のキャンプに合流した模様で、大事に至っていないようで何よりです。

しっかりと後れを取り戻し、シーズンに入ったら千葉ロッテ戦以外で活躍して欲しいものです。

図1 網膜断層検査における正常黄斑部
【図1 網膜断層検査における正常黄斑部】
図2 中心性網膜炎の断層像 黄斑部下に浸出液が溜まった黒いスペースを認める。
【図2 中心性網膜炎の断層像 黄斑部下に浸出液が溜まった黒いスペースを認める。】
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